5月9日交渉、16日交渉では勤務評価実施時期が争点となりましたが、連合会は結論が出せず、30日交渉にて6月実施は見送られることとなりました。これまで組合は、職員同士を競わせ、チーム医療を破壊する勤務制度の拙速な導入はしないようにと繰り返し要求し、反対署名にも取り組んできました。連合会は、今後の協議の進め方として、「半年以上の評価期間は確保する必要がある。また、本格実施時期の何か月か前には制度を確定したい」と述べ、最大9月末まで延期することを提案しましたが、組合は期限を切らずに労使協議を継続することを主張し、双方の意見は平行線のまま交渉は終わりました。組合は勤務評価の矛盾点をこれからも厳しく追及していきます。
賃金への反映方法を示さず勤務評価は導入できない―「勤務評価と賃金制度は関連するが別の制度」のウソ
組合に勤務評価制度実施案が示されたのが4月28日、「勤務評価の手引き」が職員のみなさんに配布されたのはつい最近のことです。しかし、まだ賃金への反映方法が提案されておらず、給与制度検討委員会報告書が示されているのみです。勤務評価制度は賃金へ反映することで「職員の勤労意欲を高める」ことが目的とされていますが、賃金反映方法の中身のないまま勤務評価だけを先行導入することはおかしいのです。賃金制度の変更には労使合意が必要であり、一方的実施は許されません。
評価より低い給与で「勤労意欲が高まる」わけがない―「評価は絶対評価」「がんばる人に報いたい」のウソ
連合会は、「がんばった人に報いたい」として、「評価結果を昇格・昇給・一時金等の処遇に活用」することにより、「職員の勤労意欲を高める」と勤務評価制度導入の目的を説明しています(「手引き」p.2)。しかし、評語(評価結果)がAだったとしても、賃金へ反映する時は5%の分布率で調整されてしまいます。評語Bでも、人数が多ければCにされることがあるのです。評価どおりに賃金反映されないなんて、勤労意欲が高まるわけがありません。「評価は絶対評価」といいながら、賃金への反映は人数制限があるわけですから、同僚よりよい評価を得るため、「がんばれ、がんばれ」と職員同士が競わされ、職場ギスギス、体ボロボロ、チーム医療はガタガタになります。結局は患者さんにしわ寄せが行くことになってしまいます。
「評価Cなら賃金は下がりません」のウソ
評価制度導入の一方で、5年ごとの2号俸昇給制度が廃止されようとしています。現行制度は30年在職すれば2号俸昇給が6回あります。勤務評価のA評価6回分、B評価12回分にあたります。この制度がなくなるのは全職員にとってたいへんな賃下げです!