新給与制度の提案せずに、10月1日実施ありきの交渉は不当
6月6日、夏季交渉の第1日。連合会は勤務評価実施時期を10月1日と勝手に設定し、7月末までに新給与制度についての意見を出せ、勤務評価に課題があれば6月10日までに文書で出せと無茶なスケジュール案を押しつけてきています。昨年10月に労使受諾した「連合会は、新たな賃金制度についても、時間的余裕をもって組合に提案すること」という中労委あっせんにそむく態度です。勤務評価は賃金問題、労働条件問題であり、誠実に労使交渉を尽くすよう組合は求めています。給与制度の正式提案もないのに協議できますか? 組合は7月の定期大会で現場の意見を集約してから、今後の連合会交渉に臨みたいと考えます。
連合会の無茶なスケジュール提案
6月10日 勤務制度の課題を出せ
7月末 新給与制度について意見を出せ
9月頃 新給与制度の正式提案
10月1日 勤務評価導入
2012年4月 新給与制度導入
勤務評価で勤労意欲は高まるのか? 目的の検証なし
勤務評価制度導入の趣旨を「職員の勤労意欲を高め、職場の活性化を図ろうとするもの」と説明しています。しかし、連合会アンケートからは、勤労意欲が上がるかどうかはまったくわかりません。「アンケートは試行検証、課題把握、理解促進のため」との回答でしたが、それらもどこを見ればわかるのでしょうか? 「勤労意欲向上」という制度の目的に合致しているのでしょうか? 人よりよい評価を得ようとがんばったのに、評価より低い給与にされるとも限らないのでは、職員は疲れるばかりでやる気をなくしていきます。
「非常勤の常勤化は院長判断、でもその要望はあがってきていない」 えぇっ、病院のせいなんですか?
非常勤職員を常勤職員にしたくても定数があり、それを超えることはできないと病院は言います。一方、連合会は「病院から定数拡大の要望がきたら」、それをもとに財務省と交渉して定数拡大に努力していると言います。非常勤職員の常勤化がすすまないのは、病院が定数拡大を本部に上げてこないからだと言わんばかりですが、本当でしょうか? ある病院では、この3年間に検査技師はひとりも常勤職員になっていません。病院は粘り強く本部と交渉したが、実現できなかったそうです。ほかの病院では、看護師を1年目は非常勤で雇い、2年目に常勤職員にする方針とのことです。7:1看護基準のために看護師確保に力を入れるのが当然ですが、人数制限されているからといって、看護師を非常勤で募集したら人が集まらないのではありませんか?
フルタイム非常勤職員の人数「把握していない」
連合会病院全体で何百人といるフルタイム非常勤職員の人数を本部が把握していないのは大問題です。早急に実態調査するよう組合は求めています。診療報酬を上げるため、7:1をとるため、宿日直の規制をクリアするため、彼らは必要だから配置されているのです。不安定な身分の非常勤職員のままにしておくことは、病院の安定経営と矛盾しています。合理的な理由もなく、不当に差別的扱いをすることは人道的に許されません。明日の交渉ではさらに非常勤問題を追及していきます。