名城病院が勤務評価表を使いはじめたことに抗議!
勤務評価制度の導入について、「一旦、3月末で試行は終了し、結果は6月上旬にまとめ、検証を受けてのあらたな案を示す」と4月6日の中央交渉で連合会は表明しています。にもかかわらず、名城病院では看護部と外来で連合会作成の「勤務評価表」を使った評価を4月にはじめたので、支部より病院に対して、(1)勤務評価の即時中止、労使合意なき一方的な勤務評価の試行・実施をしないこと、および、(2)今回、なぜ勤務評価が一方的に実施されたのか経緯を説明すること、の2点を4月30日に申し入れました。
5月10日の病院の回答は以下のとおりです。
当院が連合会本部の指示もなく勤務評価を試行・実施することはない。
しかし、毎年行なっているクリニカルラダーの目標設定を、従来使用している用紙から、目標設定の表現に優れた勤務評価表に切り替えたことが、勤務評価との誤解を招いていることから、勤務評価表の使用は中止するとともに、すでに記入したものは回収し、従来の用紙を改めて配布する。
職員の看護実践教育のためのクリニカルラダーと、成果主義賃金のための勤務評価制度では、目的がまったく違います。「目標設定が似ている」というだけで、同じ用紙を使われたのでは職場の混乱を招くだけです。
虎の門病院 2交替制導入のためのWGを立ち上げ
2交替制=長時間夜勤の心身への悪影響を知らないの?
虎の門病院ではすでに4階病棟と分院で2交替制勤務が導入されています。さらに8階と9階にも2交替制を導入するために、ワーキンググループ(WG)が勝手に立ち上げられました。一応、参加希望者を募った形にはなっていますが、SVとCNだけからなるWGのようです。労使協議もなく一方的に検討が進められていることについて抗議しました。また、「心身への悪影響」という労働者の安全・健康を守る意識がすっぽり抜け落ちていることがたいへん問題だと考えます。
日本医労連の「看護職員の労働実態調査」(2010年4月発表)によると、7割以上が慢性疲労、6割以上が自身の健康不安を訴えています。労働科学研究所の佐々木司・慢性疲労研究センター長は、●16時間勤務後の爆睡が循環器系に負担をかける、●睡眠の質が落ちるとストレスホルモンが増えて慢性疲労やバーンアウト(燃え尽き)の原因になる、●長時間夜勤後は“酒気帯び”と同じ状態で医療ミスが懸念される、と主張します。また、●夜間に照明に当たり続けることで、乳がん、前立腺がんになる確率が高まるといった海外研究を紹介し、警鐘を鳴らしています。
2交替か3交替かの議論の前に、現在の3交替がなぜうまくいっていないのかを検証し、改善していく必要があるのではないでしょうか。
http://www.kokkyobyoso.com/oshirase/100518km.pdf
▲小林美希「看護師の2交代制でさらに深まる医療の危機」週刊エコノミスト2010年5月18日号
問題がわかりやすくまとめられた記事です。