夜勤そのものが健康に有害
夜勤による主な健康への影響
- 胃腸疾患
- 循環器(心臓、血管など)
- 高血圧
- 虚血性心疾患(相対危険度1.3〜2.8と高率)
- 糖尿病、代謝障害
近年新たに議論になっているのが、夜勤と乳ガンの関係。2007年にWHO国際癌研究機関がこれを認めたことから研究と議論が活発化している。メカニズムはまだ議論中だが、夜間照明によるメラトニン抑制がガン細胞を増殖させる説が有力。夜勤時間は短いに越したことはない。
疲労もストレスも高くなる
1999年の㈶労働科学研究所ストレス研究グループの報告「看護職員の労働負担と健康影響に関する調査結果―8時間夜勤と比較した16時間夜勤の労働負担」によると、夜勤中の疲労自覚症状の比較―「ねむけとだるさの症候群」と「注意集中困難の症候群」では、16時間夜勤の方が8時間夜勤より自覚症状が多い。この結果は、16時間夜勤は、8時間夜勤よりも過重な負担であることを示しています。
夜勤中の疲労自覚症状の比較
睡眠のバランスはより崩れる
夜間労働は人間の生体リズムに大きな影響を与えます。夜勤をすると昼夜リズムがずれ、眠気もずれ、夜勤を続けてもリズムの逆転は起きず(よって「夜勤慣れ」は起こらない)、リズムの乱れが続き身体に悪影響が及びます。ですから、連続した夜勤・長時間夜勤は避け、夜勤後は元のリズムに戻し、良質な睡眠を取って疲労を回復させることが重要です。
20歳の良質な睡眠は、徐波睡眠(深い眠り)が15-20%、レム睡眠(浅い眠り)が20-25%というバランス、だそうです。しかし交替制勤務を行うと、徐波睡眠とレム睡眠のバランスが崩れ、良質な睡眠を得られず身体に悪影響を及ぼします。徹夜後の睡眠は、徐波睡眠が増加し、レム睡眠時に心拍数などの自律神経系に影響を及ぼします。徐波睡眠の著しい増加は「突然死」を招く可能性が高いと言われています。