10月23日、24日の看護問題学習会には、7支部から22名が参加しました。残業代が払われない、休みがとれない、夜勤回数が多い、妊婦の夜勤制限・育児のための時間短縮もできないなど、職場では慢性的な人手不足のために多くの問題が起きています。組合の9月夜勤実態調査によると、夜勤が8回以内におさまっている病院もあれば、9回、10回が増えている病院もあり、中には11回、12回夜勤もありました。私たちが働き続けられる職場にするには、とにかく増員が必要です。
年休とらせて!看護師賃金上げて!年末年始手当廃止するな!
24日の連合会要請行動では、看護師みずからの言葉で現場の問題を突きつけ、改善を訴えました。
- 夜勤回数「9回以上の夜勤減少に努力する。会議等で周知徹底する」…1960年代からずっとそう答え続けていますが、一向に改善されていません。会議で言うぐらいじゃダメですよ。
- 2交替「交替制についてはそれぞれの病院に任せている」…厚労省5局長通知では「より負担の少ない交替制」を求めています。連合会として2交替をどう考えているのですか?
- 年休「パンフで師長などにも周知するよう指示した」…年休は私たちの権利です。年休希望しても、7対1を理由に断ったり、年休をほかの休日にしてしまうような師長を指導するよう強く求めました。
- 研修等の労働時間性「自由参加とはいえ、参加せざるを得ないものは労働時間である」
- 院内待機「各病院に検討させている。2012年3月までになくす」
- 退職届を受理せず延期させた件「事実関係が確認できなかった」と逃げましたが、ちゃんと指導を!
年休を請求しても振休に変更している。時間短縮や育休を申し出ても却下する。連合会からの指導を守らない師長が評価する「勤務評価制度」なんて納得できません。
要請後に配布された新給与制度案の資料は、給与検討員会報告を図式化しただけの「押しつけ」です。「本俸は労働の対価を職種に応じて…」との説明に対し、「看護師賃金は40歳を過ぎると上がらない。検査や放射線より低く評価されているのか」と質問すると、「検査を下げろと言うのか」とトンチンカンな発言が飛び出し、参加者はいっせいに「同等に上げてほしい!」と訴えました。また、年末年始休暇の大切さを訴え、手当廃止に強く反対しました。
長時間夜勤は患者の安全、職員の健康をおびやかす
学習会では中野千香子さん(日本医労連副委員長)の講演「待ったなし!交替制勤務の負担改善―看護師の安全・健康・生活を守る」がありました。長時間夜勤の有害性をまとめた労働科学研究所の佐々木司先生の著書『看護師の交代勤務』(看護の科学社)を紹介しながら、長時間夜勤は職員の健康をおびやかし、子育てや日常生活にも影響を及ぼしていること、それが毎年1割以上という高い離職率につながっていることが強調されました。労働時間が長いほど事故リスクが高まるのは科学的に証明されています。看護師不足は看護の質の低下を招き、患者の安全も守れなくなります。今年6月に厚生労働省の5局長通知が出され、国家の問題として看護師の労働環境の改善に乗り出したのは、私たちの運動の大きな成果です。
5局長通知をテコに、組合は連合会に増員・夜勤改善を厳しく迫り、職場改善に活かしていきます。
交渉で改善をとろう
1.夜勤協定を結ぶ・守らせる
(1)勤務間隔は12時間以上確保「十分な勤務間隔の確保」
(2)夜勤時間をできるだけ短く。超過勤務含めても12時間以内。「より負担の少ない交替制」
2.労働時間の短縮化
(1)サービス労働はしない。増員に結びつける
(2)残業への攻撃をさせない
(3)夜勤後の残業をなくす
3.業務整理で、看護職全体の負担を減らす
(1)本当に夜勤でやらないといけない仕事か
(2)委員会や看護研究の必要性の見直し
(3)他職種との連携