「月8回夜勤」が守れないのは慢性的な人手不足
2月16日、看護師を中心に連合会に対して要請を行いました。連合会の夜勤調査からは「月8回夜勤」が守られていない職場が多いことが明らかですが、労使協定だけではなく、国をあげて看護師の労働環境を改善していこうという方針にも反しており、連合会には夜勤回数を減らすさらなる努力を求めました。現在配置されている看護師の人数では月8回夜勤を実現するにはまったく人員が足りていません。その結果、週1回の法定休日(0時から24時の暦日の休日)を与えることができない、労働者の権利である年休をとることもできない、妊娠者の夜勤免除も認めないほど逼迫した状況に陥っています。
また、1人ひとりの業務量が多すぎるためにどうしても時間外が発生しますが、時間外を請求すると師長に呼ばれたり、請求用紙を師長が管理して書かせないようにしたり、タイムレコーダーを押してから残業をさせているといった具体的な事例を出しながら、時間外請求の抑制はさせないよう指導を求めました。「看護師の離職率は11%」といった話も出ましたが、せっかく看護師を育てても10人に1人がやめてしまうのは労働条件が過酷すぎるからです。看護の現場を早急に改善して、働き続けられる労働条件にしていくことは喫緊の課題です。看護師の心身を守り、ひいては患者さんを守ることにつながります。
なお、組合は、特別夜勤手当の増額および9回以上の新設とともに、看護師以外の職種が当直ではなく交替制で夜勤をする職場が増える傾向にあることから、手当の支給対象の拡大を求めています。
札幌時間外不払い問題:ひとまず11か月分支払われる
札幌医療センターの時間外不払い問題に一定の進展がありました。2014年9月の是正勧告から5か月、1月30日に、過去に遡って11か月分の時間外手当が、タイムレコーダーの記録どおりに支給されました。病院は対象者の人数や金額についてはっきりしたことを言いませんが、今回支払われた2年遡及の半分でも数億円規模になりそうです。しかし、明らかな計算ミスがみつかっており、本当に記録どおりに支払われたかどうかはわかりません。また、残りの13か月分がいつ支給されるのか、本当に支給されるのかもあいまいなままです。組合はさらに病院を追及し、必ず全額を支給させます。
2交替・16時間夜勤で月80時間近い残業…「看護師の過労死を考えるつどい」で労災認定を支援する会発足
札幌医療センターに入職してわずか8か月後に過労自殺した23歳新卒看護師の労災認定と裁判を支援する会が1月29日に発足しました。「看護師の過労死を考えるつどい」では、事件の概要と「支援する会」設立にいたる経過報告があり、弁護士、労働組合、看護師、医師など、それぞれの立場からの発言がありました。亡くなった看護師の母親も出席し、「娘の無念を晴らすためにがんばりたい」とあいさつしました。国共病組は支援する会の共同代表として、2交替・長時間夜勤の過酷さ、大幅増員の必要を広く訴え、もう二度と悲しい過労死を起こさないために、看護の職場の改善に向けて取り組みを進めていきます。
事件をまとめたブックレット『うばわれた新卒看護師のいのち』をあなたもぜひお読みください。そして、多くの方にすすめてください。「支援する会」には個人でも団体でも加入できます。ご協力をよろしくお願いします。
不払い労働は法律違反です。あなたの時間外はきちんと払われていますか? 職場で時間外の請求はできますか? 1年生もちゃんと請求していますか? 疑問があれば労働組合にご相談ください。