3月7・8日、全国組合協議会は公的医療機関の各運営団体に対して要請行動を行い、春闘の申入書を提出しました。2010年に診療報酬がプラス改定され、多くの病院では経営改善されているにもかかわらず、現場では依然として離職率が高いままです。この原因である過酷な夜勤交替制労働の改善、それに見合った賃金の引き上げ、そして、増員による労働条件の抜本的な改善を求めていきます。
連合会・丸田常務理事(左)に申入書を渡す医労連・相澤書記長(右)
申し入れのポイント
- 医師、看護師をはじめ医療従事者の増員を行うこと
- 看護師の夜勤交替制勤務は、医療事故の防止と安心・安全の看護の提供、離職防止のために、疲労を軽減し、2交替・長時間労働をやめ、3交替制による1勤務8時間以内、勤務間隔12時間以上の確保を原則とすること。夜勤を「3人以上・月6日以内」とすること。
- チーム医療を破壊する成果主義・勤務評定による昇給制度は導入しないこと。
- 非常勤職員は、正職員に準じた賃金・労働条件とすること。
- 不払い残業を一掃し、労働法を遵守すること。労働条件の変更は、労使合意なく一方的な変更を行わないこと。
とくに、勤務評価制度が6月にも導入されようとしている連合会病院については、他組合の書記長からも、「医療にはあわない制度」「公務員にあわせて機械的に入れるな」「職場はひどいことになっている」など、制度の見直し、導入中止を強く訴える声が飛び交いました。
もうやめようよこんなこと(1) 始業前の情報収集
患者についての情報収集が始業前に行われていませんか? これまで、業務内にしていた「申し送り」が、時間がかかりすぎるといった理由で廃止され、看護師は自分の担当の患者さんの情報を自分で集めるようになりました。これをしなければ業務がはじまりません。情報収集は申し送りの代わりに行われているものであり、明らかに「業務」です。かつての申し送りと同様に、勤務時間内に情報収集の時間を設定すべきです。
業務が時間外に及ぶことが「残業」であり、始業前に行われるのは「前(まえ)残業」と呼ばれます。しかし、時間外請求をしても「病院は命令していない、勝手に早くきている」などと個人に責任を押しつけたうえに、時間外手当を支払おうとしません。管理職が職員の自発的な時間外勤務の事実を知りながら中止させる措置を取らなかった場合、「黙示の業務命令」とみなされます。つまり、命令をして業務をさせたことと同じなのです。時間外の請求をさせず、時間外手当が支払われないのは、違法な賃金不払いです。個人が病院に請求するのはもちろん、組合としても連合会に対し、早急な改善を要求していきます。