国共病組

国共病組とは国家公務員共済組合連合会病院労働組合です

国共病組(こっきょうびょうそ)は国家公務員共済組合連合会病院で働く仲間の労働組合です。
国共病組の正式名は「国家公務員共済組合連合会病院労働組合」と言い、1959年2月に結成されました。
連合会病院の14の病院が結集している組合です。連合会病院で働く仲間は、職種や雇用形態にかかわらず、どなたでも加入できます。
患者さんから喜んでもらえる仕事がしたい。明るく生き生きと健康で働き続けたい。
そして自らの生活をより人間らしく豊かなものにしたい。 こんな思いを実現するために労働組合は存在しています。
組合には、仲間の暖かい心、人間的なふれあいがあります。 何でも話し合い、信頼しあう人間関係があります。
あなたの悩みをともに悩み、理解して、一緒に解決しようという仲間がいます。
希望に燃えて、働くことの楽しさ、生きていることの喜びを、心から感じることのできる職場を一緒に、力を合わせて作っていきませんか。

  

100806 8月2日の中央交渉を受けての再申し入れ

2010年8月6日

国家公務員共済組合連合会

 理事長 尾原 榮夫  殿

国家公務員共済組合連合会病院職員労働組合

中央執行委員長  吉川 はま子

8月2日の中央交渉を受けての再申し入れ

1. 8月2日の中央交渉において、貴職は、9月1日よりの勤務評価制度の第2次試行をいったん延期し、再交渉をおこなうことを表明されました。これは、協議を尽くすようにとの国共病組の指摘を受け止めての判断であると、私たちも評価するものです。
 しかし、8月2日の中央交渉における貴職の説明内容は、具体的な資料の提示や論拠の具体的な説明がないなど、相変わらず不十分な内容だったと言わざるを得ません。また、その後に日時の決まった9月13日の次回中央交渉は、労使双方にとっていっそう重要な意味をもつ交渉となることは明らかです。
 国共病組はすでに8月2日の交渉のおりに申し入れ書を提出し、再回答を求めているところですが、以上の見地にかんがみ、労使交渉にのぞむ基本的な考えを改めて明らかにし、貴職の誠実な対応を強く求めるものです。

2. 国共病組は8月2日の中央交渉に際して提出した申し入れ書「第2次試行を既成事実化せず、労使交渉を尽くすよう求める申し入れ」の第2項において、「本日の交渉を踏まえ、7月12日付申し入れ書に対する文書による誠実な再回答を求めるとともに、特に以下の点を指摘し、第2次試行の9月実施を強行せず、労使交渉を尽くされるよう強く」求めました。
(1) 何度も指摘しているように、勤務評価制度は労働条件の根幹である賃金制度そのものです。したがって、労使対等原則に基づく労使交渉が尽くされることが必要です。第1次試行に関するアンケート結果が示されたのが6月7日、第1次試行の総括や第2次試行の実施要綱案が示されたのが6月28日であり、それに基づく中央交渉は7月12日が第1回目で、本日が2回目です。交渉が尽くされたと言えないことは明らかです。
(2) 世にいう成果主義賃金に対する国共病組と貴職の評価には大きな違いがあります。だからこそ、国共病組は労使の隔たりを埋めるために客観的な資料の提示や説明を求めましたが、貴職は今回、それを拒否されました。誠実な交渉の前提条件として、それらの資料提示を直ちに行うべきです。
(3) 貴職は連合会の準備状況をいろいろと説明されていますが、6月28日に示された看護職の勤務評価表(様式9)は、誰が見ても看護学校等の教育現場を想定した内容です。ミスであることは明らかですが、これが労働組合に提示されたこと自体、貴職の内部検討が不十分であり、急ピッチの準備だったことを示すものと言えます。拙速な実施は混乱を招くだけであり、労使による十分な検討時間が必要なことは明らかです。

3. 国共病組がなぜ、勤務評価制度の労使協議を尽くすことをこれほど再三にわたって申し入れ、貴職の誠実な対応をお願いしているのか、その真意を踏まえて対応いただくことを強く求めます。
(1) 世間一般では成果主義賃金の弊害が強く言われ、見直しの動きも強まっています。国共病組は、貴職が提案する勤務評価制度に対して、同種の危惧の念を強く抱いています。だからこそ、国共病組は何度も申し入れをおこない、丁寧な説明を求めているわけですが、貴職は「平成17年度の人事院勧告を契機として評価委制度を整備していくことが重要と判断」したなどと言われるだけで、十分な論拠や説明をおこなわず、勤務評価制度の導入を既成事実とし、国共病組が求めた資料提示等も、その多くを回避されています。
  貴職のこれまでの回答では「どうして集団的な目標設定と職場討議による医療改善のとりくみではダメで、個人目標を設定し短期的な評価を賃金に反映する勤務評価制度を導入しなければならないのか」という国共病組の疑念は解消されていません。成果主義賃金など評価給制度を導入した企業では、評価をめぐって不満が鬱積し、チームワークが崩れギスギスした職場となり、経営的にもマイナスという問題点が浮き彫りになっています。人のいのちと安全をまもる医療機関において、こうした事態が出来すれば、その影響は甚大です。だからこそ、国共病組は慎重な対応を求めているのであって、現在の第2次試行の内容で、本当に「真に公平な評価が担保されているのか、チーム医療は守られるのか」という国共病組の疑問への誠実な回答を求めているのです。
(2) 貴職の説明が不十分なため、定かでない点もありますが、おそらく評価給制度に対する貴職と国共病組の認識にはかなりの隔たりがあるものと推察します。しかし、貴職もおわかりだと思いますが、国共病組はただ単に反対だけを唱えているわけではありません。
  貴職が提案されている勤務評価制度は、職員の労働条件の根幹を左右する賃金制度の改変そのものです。また、評価などで業務内容、労働条件にも大きな変化が生じるであろう、大きな制度改変です。だからこそ、国共病組は、労使対等原則に基づく誠実な労使交渉を尽くし、労使合意の可能性を探る互いの努力が不可欠だと考えています。
  労使交渉を尽くすと言っても、互いの主張をぶつけ合っているだけでは進展が望みがたいことも明らかです。よって、国共病組は第1次試行アンケートの追加資料や、評価結果の人数分追うなど、検証のための具体的・客観的資料等の提示も求め、そうした資料に基づく労使検証を強く提案しているのです。
(3) 貴職は十分に検討して第2次試行を準備してきたかのように言われます。しかし、貴職も後に訂正されましたが、6月28日に正式提案された看護職の勤務評価表(様式9)には、誰が見てもすぐにわかる大きなミスがありました。また、第2次試行に向けた説明会をいまだ全くやっていないとか、新人など一部の職員に限っている、評価者研修も部分的実施に止まっているなど、その準備状況は大幅に遅れています。
  こうした準備の遅れや周知不足を考えれば、拙速な第2次試行強行は、かえって職場に混乱を招きかねないものです。
* なお、貴職は8月2日の中央交渉において、勤務評価制度が評価結果を賃金に反映させる制度でありながら、賃金への反映方法等については今後検討するとし、第2次試行の終了後(よって、2011年3月)に提示する予定であることを明らかにされました。賃金制度としての準備が非常に遅れているということでありますが、賃金への反映方法の労使協議は、それ以降とならざるを得ないのですから、本格実施までに十分な労使協議の時間を確保することが必要であることを念のため申し添えておきます。

4. 8月2日の中央交渉の際に、貴職は国共病組の8月2日付申し入れ書に対して8月末までには回答する(同申し入れに基づき、7月12日付申し入れ書への再回答を含む)と表明されました。回答に際しては、上記の趣旨を踏まえ、貴職の主張の論拠を具体的に示して国共病組の疑問に誠実に回答されるとともに、求めた資料等についても提示いただくよう、再度強く求めます。
 なお、回答期限について、貴職は「8月末までに」と表明されましたが、今回の回答は非常に重要な回答であり、9月13日に予定される中央交渉の結果いかんでは、労働委員会など第三者機関の活用を視野に置かざるを得ないというのが、国共病組の現状です。したがって、組織内での討議や上部団体や弁護団との打ち合わせに十分な時間を確保することが必要ですが、回答が8月末では時間的に制約が大きいと言わざるを得ません。
 よって、あらためての申し入れで恐縮ですが、回答期限については8月末ではなく、8月23日までとしていただくよう、求めるものです。

以 上