勤務評価制度で賃金を上げるには、今まで以上にがんばって働いて、上司との面接で決められた個人目標を達成するしかありません。何とか目標を達成できても、次の年にはもっと高い目標を掲げることが求められます。ただでさえ忙しくてテンテコ舞いで、数時間の残業が当たり前なのに、「もっと働け、もっと働け」と、どんどん忙しくなっていくのです。
仕事に追いまくられ、満足な医療もできず、健康破壊やバーンアウト(燃え尽き)が後をたちません。これ以上の労働強化を強いられれば、退職者がさらに増え、自分の身体も患者の安全も守れない人員体制になりかねません。
「慢性疲労」が7割を超え、「健康に不安」も6割超える
「看護職員の労働実態調査・中間報告」より(日本医労連2010年4月)
日本医労連の調査では、看護職員の健康実態が20年前に比べて大きく悪化していることが明らかになりました。「疲れが翌日に残ることが多い」51.2%、「休日でも回復せず、いつも疲れている」22.3%を合わせた、いわゆる「慢性疲労」は73.5%にも上ります(下図)。また、健康状況を聞くと、「健康に不安」50.5%と「健康に大変不安」11.3%を合わせると61.8%でした。「自分が健康である」と回答した人は34.2%と約3分の1にすぎません。さらに、約7割が仕事での「強い不満、悩み、ストレス」が「ある」と答えています。
交替制勤務者、23人に1人が「過労死危険レベル」
日本看護協会2009年4月発表の看護職員調査では、交替制勤務で、かつ時間外勤務が月60時間を超えた「過労死危険レベルの勤務」は、23人に1人という結果でした。