連合会本部は職員一人ひとりの勤務実績・職務能力を評価し、その評価に応じて賃金や処遇を決めていく「勤務評価制度」を、何が何でも来年2011年4月から導入しようとしています。そのため、不十分な準備のまま、2次試行が9月から実施されようとしています。つまり、世間一般で問題になっている「成果主義賃金※」や「能力給」の一種が、連合会病院にも導入されようとしているのです。
よい賃金をもらいたければ、決められた個人目標を達成して、よい評価をもらう必要があります。そのため、「ノルマに追い回され、いっそうの労働強化を招く」とか、「よい評価を得ようと競争心をあおり、職場のチームワークを破壊する」など、様々な批判の声が出ています。
※成果主義賃金とは
目標管理制度によって、個人目標(ノルマ)を設定し、その目標に対する達成度で、個別に賃金を決めていく制度。一般的には、半年ごとに、上司との個人面接で目標をたて、期末に再度、評価のための個人面接が行われています。日本では、1990年代後半から導入が始まりました。「総額人件費管理」と言われているように、不況の中で賃金抑制の手段として使われ、メンタルの原因になる、優秀な社員が流出する、など様々な問題が発生しています。
競争原理は医療・福祉と相容れない
「がんばった人を評価する」などと言われますが、本当にそうでしょうか? 生身の人間、いのちを相手にする医療・福祉の現場で、どうやって一人ひとりの成果を評価するというのでしょうか。今でさえ忙しいのに、もっと働くことを求められ、そのうえ、医療の安全も危険にさらされるのではないでしょうか ?
病院という職場は、患者さんのいのちと安全をまもる場であり、チームワークが最も大切です。そもそも医療における「成果」とはみんなのチームワークによる成果であり、個人の成果ではありません。よい評価を受けるには、同僚に勝つことが求められます。職場がバラバラになり、結果的に、患者さんのいのちや安全をおびやかすことになってしまいます。
本当に公平な評価ができると思いますか?
「年休をとらせてもらえない」「『夜勤ができないならパートになりなさい』と言われた」「インシデント隠しは許せない」など、「あんな人に評価されたくない」というあなたの声を寄せてください。個人が特定されない形でビラ等に利用することがあります。kokkyobyoso@yahoo.co.jpまで。