安全でゆきとどいた看護がしたいから、2交替制・長時間夜勤にNO!(1)
夜勤回数が減り、出勤回数も減るため、過重労働感が薄れる
1回1回の夜勤時間は長くなるのですから、回数が減るのは当たり前です。今でさえ、仕事に追いまわされ、ヘトヘトです。人間、そんなに長く緊張感と気力・体力が続くものではありません。長時間夜勤では、心底疲れ果ててしまうというのが実際です。
「私は若いから大丈夫」という人もいますが、長続きするものではありません。働き続けられる職場づくりこそが大切です。
2交替制にすれば、今までの2人夜勤から3人夜勤に増やすことができる
1人1人の労働時間は就業規則などで決まっていますから、夜勤の人数を増やすには、3交替制・2交替制に関係なく、増員するしかないのです。
もし増員なしで増やしたら、日勤の人数を減らすとか、年休をいっそう制限するなど、無理なやりくりをせざるを得ません。それだけでなく、1人1人の夜勤日数も増えることになります。
3交替制では日勤→深夜、準夜→日勤の大変な勤務が避けられないが、2交替制では夜勤の翌日を休日にでき、48時間の明け時間を確保できる
「長時間夜勤の後は疲れ果て、ゴロゴロ寝てばかり。それでも疲れが取れず、休んだ気がしない」という声があちこちで聞かれるというのが実態です。
日勤→深夜、準夜→日勤は、3交替制につき物ではありません。年休や生理休暇等を勤務表に組み込むとか、深夜前の日勤は半日勤務にして勤務間隔をあけるなど、いろんな工夫がされています。勤務間隔をあけ、疲れのとれる勤務体制にすることが大切です。
休日が連続してとれるため、「休んだ」という実感が持てる。ライフパターンにあわせた休日がとりやすくなる
実際に連休になっている2交替制の職場はごく少数です。勤務形態に関係なく、人数がギリギリでは、夜勤後の連休保障や希望にあわせた年休取得は難しいのです。2連休をきちんと保障するには、人手を増やすしかありません。
「ライフパターンにあわせて」といいますが、日勤と夜勤の労働時間が違うため、どうしようもない事情があっても、なかなか勤務交替できないという問題も発生しています。
「おやすみなさい」と「おはよう」を同じ看護師が言ってくれるので、患者が安心できる
寝不足で疲れ果てている看護師では、「間違えないか」、「医療事故を起こさないか」と、患者はむしろ不安になるものです。
患者が本当に望んでいるのは、「どの看護師になっても、安全、迅速、確実に、質の高い看護を提供してほしい」、「休養十分で元気な看護師にみてもらいたい」ということではないでしょうか。
夜勤回数が減ることにより、家を留守にする日数が減り、家族や子どもの負担が少なくなる
回数は減っても、長時間家を留守にすることになります。1晩家を空けることになり、小さな子どもや老人のいる場合は面倒をみてくれる人がいないと困ります。病人がいる場合は、さらに不安が増します。
16時間夜勤の場合は、夕と朝の2回分の食事を準備して勤務に出なければなりません。夏には腐らないだろうかと、そんな心配もでてきます。
20時、21時まで残業してすぐに深夜など、「こんな大変な勤務が続くのなら、いっそ2交替制でもいい」と、2交替制容認の声が出てきたら、それは看護師の悲鳴です。そうした劣悪な実態を改善すること、そして、患者の安全などを総合的に考え、看護師が元気に働き続けられる環境をつくることこそが、経営者の貴任です。