国共病組

国共病組とは国家公務員共済組合連合会病院労働組合です

国共病組(こっきょうびょうそ)は国家公務員共済組合連合会病院で働く仲間の労働組合です。
国共病組の正式名は「国家公務員共済組合連合会病院労働組合」と言い、1959年2月に結成されました。
連合会病院の14の病院が結集している組合です。連合会病院で働く仲間は、職種や雇用形態にかかわらず、どなたでも加入できます。
患者さんから喜んでもらえる仕事がしたい。明るく生き生きと健康で働き続けたい。
そして自らの生活をより人間らしく豊かなものにしたい。 こんな思いを実現するために労働組合は存在しています。
組合には、仲間の暖かい心、人間的なふれあいがあります。 何でも話し合い、信頼しあう人間関係があります。
あなたの悩みをともに悩み、理解して、一緒に解決しようという仲間がいます。
希望に燃えて、働くことの楽しさ、生きていることの喜びを、心から感じることのできる職場を一緒に、力を合わせて作っていきませんか。

  

101019 虎の門:本当に大丈夫 慎重な検討が必要では?

9階の2交替制導入問題          本日19日=第2回労使交渉

夜勤は心身に有害な業務なのに、1人の増員も何もなし

 病院は9階病棟に長時間夜勤・2交替制を導入しようとしており、本日19日には第2回目の労使交渉がおこなわれます。
 「9階は比較的安定しているから」と、1人の増員もない、16時間夜勤(16時〜翌朝8時半。拘束16.5時間、実働14.5時間。休憩は21時半〜23時に30分と、0時半〜5時に90分=仮眠)の提案です。

16時間夜勤で身体はもつのか

 しかし、夜勤は人間の生命リズムに反する有害業務です。最近の研究では、夜勤・交替制労働者のガン発症率が3倍程度ということなど、その影響が明らかになっています。

夜勤看護師の通勤途中の自動車関連事故
  8.5時間 8.5-12.5時間 12.5時間
自動車事故・ニアミス 15.7% 22.3% 31.3%

(スコットらの研究より。2007年)


 だからこそ、2交替制を導入した多くの病院では看護師を増やし、2時間以上の仮眠時間の保障とか、仮眠を考慮した夜勤体制の増(2人→3人、3人→4人)など、長時間夜勤に対する代償措置が具体化されています。
 かつて、国立病院で2交替制導入が問題になったとき、日本看護協会は、仮眠2時間以上が確実にとれる保障がない中では12時間を超える長時間夜勤は止めるべきと提言し、厚生省(当時)も月4回(3交替の月8日に相当)以内が守れる人員配置のない病院での2交替は許可しませんでした。
 「8階に仮眠室を確保した」と言いますが、完全な個室ではないので、隣の音や光で安眠の保障はありません。しかも、休憩は90分(交代で0時半〜2時、2時〜3時半、3時半〜5時)ですから、眠れても1時間程度です。「身体はクタクタにならないのか」「明け方に注意力が散漫になり医療ミスは起きないのか」、もっと慎重な検討が必要ではないでしょうか。

深夜帯は2人夜勤、土日は1人 何かあったら……

 仮眠を交代でとるため、夜中の0時半〜5時までは、実際には2人夜勤になってしまいます。土日、祝日は9階北・南の片方は2人夜勤になるので、夜中の3時間は1人夜勤です。病院は「9階は比較的落ち着いている」と言いますが、「1人夜勤で患者さんの安全は本当にまもれるのか」「急変や突発事故があったらどうするのか」など、大きな問題です。
 「仮眠室にはナースコールも置かないので、起こされることはない」と言いますが、「急変時に本当に呼び出されるのではないか?」「新人と組んだら心配で、仮眠室に行けないのでは?」「隣の女医にコールがあれば、騒がしくて眠れないのでは?」……、そんな疑問が次々浮かびます。
 どうしても2交替をやりたいというのなら、タクシー代や準夜後の時間外もなくなり、人件費が大幅に浮く(=看護師の手取りは減る)わけですから、看護師を増やして、2時間以上の仮眠の勤務時間内保障、仮眠を保障する4人夜勤の実現、月4回以内夜勤の確実な遵守、疲労回復を保障する夜勤後の連休保障と年休が消化できる人員配置の余裕などの代償措置を具体化してから、提案すべきではないでしょうか? 患者さんのいのちと安全をまもるためにも、それは必須条件です。

2交替・3交替論議の前に まずは増員を!

 虎の門病院は急性期病院であり、非常に忙しく、看護師の離職があとを絶たないのが実態です。2交替制・3交替制の論議の前に、まずは人を増やして、時間外の大幅削減など、働きやすい環境整備が必要ではないでしょうか? 離職が減れば、経験のある看護師が多くなり、少しは楽になるはずです。それは、患者の安全もまもれます。
 8階では、職場の話し合いを重ね、投票で反対が多数を占めたため、病院も2交替制導入を断念しました。9階では、投票ではなく、口頭確認で5人が反対し、その他にも条件を付けた人がいたそうです。看護部全体、病院全体でもっと論議すべきではないでしょうか。
 労働組合への正式提案文書は昨日18日に初めて出されました。夜勤は看護師の労働条件の根幹であり、一方的な変更は法的にも許されていません。労使合意や職場の合意が必須条件です。みなさん、「拙速な導入は止め、もっと論議を」という声をあげましょう。

計画されている2交替制の内容

回答書と宗村副院長の説明から作成

  • 9階を選んだ理由は比較的落ち着いている病棟だから。2交替制を入れたいのは、採用で希望が多いからで、離職防止のためではない。全病棟入れるわけではない。
  • 勤務時間は、日勤8時〜16時45分(休憩1時間)、夜勤16時〜8時半(休憩は2時間で、21時半〜23時の間に30分、0時半〜5時の間に90分=仮眠時間。拘束16時間半、実働14時間半の勤務)。
  • 増員はなく今の人員のまま実施。そのため、平日は北・南とも3人夜勤、土日・祝日はどちらか一方が2人夜勤 ⇒仮眠があるので、0時半〜5時は実際には2人夜勤、土日・祝日は一方の病棟は深夜の3時間は1人夜勤
  • 深夜の休憩90分に仮眠を確実に取れるよう、8階に専用の仮眠室を確保した。ナースコールもなく、起こされることはない。 ⇒個室ではなく、上が空いた仕切りなので、隣の音や光がはいる
  • 採血など早朝の業務整理をおこない、早出はなくす (⇒ 副院長の説明では、長時間夜勤の疲労を考慮して業務整理したということらしい。なお、遅出は現行のまま)
  • 休憩時間以外に、夕食の時間として20分程度とってよい。
  • 夜勤回数の月4回以内、夜勤明けの連休については努力していく。年休取得率は上げていきたい。
  • すでに2交替が導入されている4階・分院では、アクシデントやインシデントが起きていない。

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