医療関係団体も反対を表明
日本医師会や日本歯科医師会、日本薬剤師会など、医療職6団体は、「看護師特定能力認証制度」骨子案について、厚生労働省のチーム医療推進会議に対し、反対の意見書を提出しました。また、同会議と作業部会に参加する委員6人は、通常国会に法案提出を目指す同省の方針を問題視し、慎重な議論を求めています。
医師・看護師の増員・社会保障の充実こそ必要
「療養上の世話」は、対象の治癒力を引き出す一連の行為として看護師の誇りにつながっています。しかし、多様な業務の集中で、本来業務の「療養上の世話」が追いやられ、補助者に委譲される傾向が強まり、看護師の仕事の達成感を奪っています。WGの議論により、「診療の補助」業務が拡大すれば、さらに看護師の離職が深刻化するのではないでしょうか。
医師の過重労働は早急に改善されるべき重要課題です。しかし、看護師の劣悪な労働環境の改善も待ったなしです。医師・看護職員をはじめとしたすべての医療・福祉労働者の大幅増員で、それぞれの職種がその専門性を高めながら、チームとしての力を発揮し、安全・安心の医療・介護を提供することが求められています。
そのためにも、社会保障の充実が必要です。
厚労省は、2012年4月から介護士に痰吸引などの一部の医行為を解禁しました。医師の仕事を看護師に、看護師の仕事を介護士に、そして介護の仕事を営利企業に委譲する……これでは医療・介護の質の保障はできません。