春闘交渉は継続 4月12日ストライキ延期
4月10日の春闘交渉では、賃金改善を重点に、特別夜勤手当の対象拡大、2交替の夜勤回数、子育て支援などについて協議をしました。今回は前進回答はなかったものの、連合会は「経営をよくして愛される病院になりたい」、「職員が充実して生き生きと働き続けられるようにしたい」と発言し、組合は次回交渉までに職場の実態調査などの再検討を求めました。継続協議となりましたので、4月12日に予定していたストライキは延期します。
どこも経営難の今こそ、連合会病院の安定的な給与は魅力
2017年度の給与改定について、連合会は「2016年度決算はかろうじて黒字になったが、大幅減益であり、経営状況は厳しい」として、「今後についてはなんとも申し上げられません」と消極的な姿勢を示しました。連合会病院の給与は国家公務員準拠であり、安定性が人材確保の強みです。組合はその魅力を生かした賃金改善を今後も追及していきます。また、診療報酬改定や消費税増税の影響による病院の経営難は全国的な傾向で、連合会特有のものではありません。組合は医療の充実のために国に対する働きかけを続けていますが、連合会には病院経営者として積極的に国に働きかけることを求めました。
夜勤月8日以内は「看護師の離職防止策」(看護師確保法) なぜ連合会は夜勤回数削減に取り組まないのか?
看護師の夜勤回数は「月8日以内」が国の基準です。連合会はこの基準が出された1965年は3交替が主流だったとして、2交替については「国の基準がない」から調査資料を出さないと主張します。でも、そんなことを言うのは連合会だけです。1992年の看護師確保法は、1965年の基準を踏襲して「月8回以内」が看護師の離職防止策となるとしています。連合会はどちらも「目標としての『基準』」ということは認めざるを得ませんでした。「月8回」と書いてあるからといって、2交替の夜勤を8回もさせていいわけではありません。2交替なら月4回です。全国の病院が「月8日以内」を目標に夜勤回数の削減に取り組んでいるときに、連合会が3交替の夜勤回数だけを見て、2交替の夜勤回数から目をそむけているのでは、看護師の離職を止められないのは当然です。夜勤実態をデータできちんと把握した上で、対策を考えるべきではないでしょうか。
「風通しのよい職場」で現場の声を生かした改善を
連合会は「新病院でモチベーションが上がる」と楽観視していますが、現場には不安と不満しかありません。採血室と検査室が遠く、いちいち採血を運ぶので検査結果の出るのが遅かったり、車いすで入れるトイレが1つしかない病棟など、患者さんにとっても働く私たちにとってもストレスでしかありません。あわただしい病棟編成や2交替導入など、現場に混乱をもたらす「トップダウン方式」は必ず失敗します。「説明がない」、「意見を聞いてもらえない」といった不満を解消した「風通しのよい職場」が職員のモチベーションを上げ、経営改善につながることは、労使共通の認識であることを確認しました。