病院は勧告に従い不払い時間外手当支給へ
北海道にある連合会病院の札幌医療センターに労働基準監督署の調査が入り、是正勧告が出されました。病院は9月10日に出した「勤務時間の適正な管理について」という文書で、時間外勤務命令簿(時間外申請書)とタイムレコーダーの記録の間に「相当な乖離」が「長期間発生」しているために、是正勧告を受けたと説明しています。
国共病組札幌医療センター支部は、是正勧告書の提示とどのような改善策を考えているか具体的に示すことなどを要求し、病院は10月2日の回答で、勧告の内容が「対象者全員に対する過去2年分の未払い時間外手当の支給」であることを明らかにしました。病院は現在、対象者の確認と不払いとなっている2年分の時間外手当の計算をしているといいます。組合は、10月9日開催予定の団体交渉で、対象者の範囲、計算方法(タイムレコーダーどおり支払われるか)や、時間外申請しにくい職場環境の改善を追求したいと考えています。
時間外手当っていくらになるの?
★時間外労働のポイント★
長時間労働は法的に規制されています。
○労働時間は1日8時間、週40時間が基本
(連合会病院では1日7時間45分、週38時間45分)
○36協定がないと時間外労働はさせられない
○時間外労働の割増率は25%
○月60時間を超える場合の割増率は50%
時間外手当は、残業だけでなく、始業前に働いたり、休憩がとれなかった場合にも支払われます。もし、あなたの月給が22万円ぐらいだとすると時給は1,300円。1日2時間、週2回の時間外勤務をした場合の1か月の時間外手当は……
1,300 円×1.25×2時間×2回×4週→月26,000円、年間約30万円にもなります。タダ働きなんてもったいない!
不払い労働は違法。きちんと時間外手当の申請をしよう
タイムレコーダーの記録と本人が申告した労働時間にズレがあるということは、働いた分の給料が全額払われていないということです。不払い労働は労働基準法違反であり、使用者(病院)が罰せられます。時間外が多いのは、決してあなたの能力不足や経験不足のせいではありません。業務量が多いのに職場の人員が少なすぎるのです。働いた分はきっちり請求して時間外手当を支払わせましょう。もちろん新人だって請求できます。
こんなこと、ありませんか?
- 時間外の請求をしたら上司に怒られる
- 委員会や研修会で遅くなったのに時間外が出ない
- 新人は請求してはいけないと言われた
- タイムカードを押してから残業させられる
- 周りが書かないから私も書けない
- 1時間残業しても30分しか請求しない
- 時間外申請の仕方がわからない