2012春闘 10日交渉報告
10日交渉も引き続き給与改定が争点となりました。医師や看護師の確保が難しいのはどこの病院も同じで、国立病院や日赤は人勧に基づく0.23%賃下げにとどめています。連合会病院だけが7.8%賃下げを実施するわけにはいかないでしょう。組合は、職員の生活をおびやかし、人員確保をさらに困難にする7.8%賃下げには絶対に反対です。連合会も組合の意見に一定の理解を示し、この大きな問題は継続協議となりましたので、12日に予定していたストライキは中止します。
新給与は現行より4号俸低くなると認める
新給与制度案について、組合は、現行制度と新制度を客観的に比較する資料として、モデル賃金を示すことを要求しています。連合会は、各職種の「昇格して役付になった場合」のグラフは提示しましたが、職員の大多数を占める「昇格しないで役付にならない場合」の賃金グラフを出しません。「新給与は賃下げのための制度ではない」と言うのなら、現行の毎年4号俸昇給で5年2号俸ありと、新給与制度のC評価(=標準)4号俸昇給で5年2号俸昇給なしを比較すべきです。
たとえば、看護師が21歳で入職して39年間働いた場合、現行制度では5年2号俸昇給の機会が6回あるので12号俸アップします。一方、新給与制度では、連合会のいう「20年に一度はA評価(2号俸)、5年に一度はB評価(1号俸)」だったとしても、8号俸しか昇給しません。この点を厳しく追及されて、連合会は現行よりも新給与が4号俸低くなることを認めざるをえませんでした。
夜勤9回、10回、ナースコール鳴りっぱなし…早く増員して! みんな疲れてやめてしまう
組合は「夜勤は一人月8日以内」を求め続けています。連合会も9回以上はなくすと約束していますが、なかなか増員が進みません。実際に人が足りない病棟では、夜勤9回、10回が当たり前になっています。ギリギリの7:1看護配置基準では仕事が回りません。職員一人ひとりの負担が大きくなって、日勤者は残業しなければならず、9時、10時まで帰れないこともしばしば。勤務間隔が8時間しかない日勤−深夜も月5、6回こなしています。日常的にこんなことでは職員はどんどん疲弊します。人が足りない→みんな疲れてやめてしまう→さらに人が足りなくなる…という悪循環に陥っています。患者さんからの苦情でもっとも多いのは、ナースコールへの対応の遅さです。忙しく立ち働く看護師に気を使って、ナースコールを我慢してしまう患者さんもいるといいます。人手不足は、結局は患者さんに迷惑をかけてしまいます。安心・安全な医療・看護を守るために、そして私たちの健康を守るために、すぐに増員してください!