国共病組

国共病組とは国家公務員共済組合連合会病院労働組合です

国共病組(こっきょうびょうそ)は国家公務員共済組合連合会病院で働く仲間の労働組合です。
国共病組の正式名は「国家公務員共済組合連合会病院労働組合」と言い、1959年2月に結成されました。
連合会病院の14の病院が結集している組合です。連合会病院で働く仲間は、職種や雇用形態にかかわらず、どなたでも加入できます。
患者さんから喜んでもらえる仕事がしたい。明るく生き生きと健康で働き続けたい。
そして自らの生活をより人間らしく豊かなものにしたい。 こんな思いを実現するために労働組合は存在しています。
組合には、仲間の暖かい心、人間的なふれあいがあります。 何でも話し合い、信頼しあう人間関係があります。
あなたの悩みをともに悩み、理解して、一緒に解決しようという仲間がいます。
希望に燃えて、働くことの楽しさ、生きていることの喜びを、心から感じることのできる職場を一緒に、力を合わせて作っていきませんか。

  

100712 本日の中央交渉に当たっての見解と提案

2010年7月12日

国家公務員共済組合連合会

 理事長 尾原 榮夫  殿

国家公務員共済組合連合会病院職員労働組合

中央執行委員長  吉川 はま子

本日の中央交渉に当たっての見解と提案

 勤務評価制度をめぐっては、この間、何度かのやり取りを行ってきました。しかし、私たち国共病組が求めてきた資料の開示も一部に止まるなど、貴職の回答ははなはだ不十分であり、短期的な評価・成果を賃金に反映させることがいのちと安全をまもる医療現場で何よりも大切なチーム医療を壊しかねないという、勤務評価制度に対して私たちが抱いている懸念は払しょくされていません。私たちは今も様々な疑問を抱いています。
 貴職からの十分な説明や資料開示がないもとで、労使交渉は緒についたばかりというのが実態であり、第2次試行提案については本日(7月12日)が初交渉です。後に具体的に指摘しますが、貴職の準備状況も十分とはいえず、第2次試行提案も拙速の感が否めません。何より、賃金への反映方法という制度の根幹部分はいまだ明らかにされていません。
 こうしたもとで、本日(7月12日)の中央交渉に臨むに当たって、私たち国共病組の現時点での基本的な認識を明らかにするとともに、労使の建設的な交渉、健全な労使関係の維持・増進をはかる観点からいくつかの提案を行うものです。
 勤務評価制度は、労働条件の根幹である賃金制度そのものの課題であり、労使対等決定原則に基づく労使交渉が尽くされることが必要です。貴職が、私たち国共病組の指摘を真摯に受け止め、建設的な労使交渉をすすめられることを切に願います。
 なお、この申し入れについては、本日のやりとりも踏まえ、ご検討の上あらためて文書回答をいただくよう求めます。

1.準備状況は遅れており、9月からの第2次試行、来年度からの本実施というスケジュールに固執すべきではない

(1) 第1次試行に関するアンケート結果が、国共病組に示されたのが6月7日(アンケート結果のみ)、第1次試行の総括や第2次試行の実施要綱案が示されたのが6月28日であり、それに基づく第1回目の中央交渉は本日7月12日です。にもかかわらず、貴職はできれば本日7月12日で労使交渉を終結し9月から第2次試行を行いたいと表明されています(6月28日説明時の発言。なお、予備日として8月2日。)。7月8日付回答書でも「検証結果をアンケート結果及び1次試行結果の総括という形で、6月7日及び6月28日に文書にて説明したところ」と回答されており、「説明すれば足る」という姿勢だと受け止めざるを得ません。
 しかし、本件は賃金制度に関する課題であり、労使交渉課題です。第1次試行についての労使検討、職場での検証・総括をきちんと行い、その総括を踏まえた上で第2次試行を行うことがあるべき姿です。貴職の内部検討だけに基づく第2次試行実施要綱などを説明しただけで、労使の話し合いなく、一方的に第2次試行を既成事実にすることは許されません。
(2) 貴職は連合会として十分に検討してきたようにいわれますが、6月28日に示された看護職の勤務評価表(様式9)は、誰が見ても看護学校等の教育現場を想定した内容になっており、ミスであることは明白です。これが労働組合に提示されたこと自体、貴職の内部検討が不十分であり、急ピッチの準備だったことを示すものといえます。
 不十分なことは明らかなのですから、第2次試行提案をいったん撤回され、内部検討を尽くされた上で再提案し、労使交渉に付されることが必要です。
(3) また、これから職場への説明や周知、評価者研修等の作業がおこなわれる(注:本来は労使合意が必要)わけですが、期間は非常に短く、混乱が起きるのではないか、不十分な周知で制度検証を担保する試行とならないのではないかということが強く懸念されます。
(4) 以上のとおり、貴職の準備状況は遅れているといわざるを得ないのであって、9月からの第2次試行、来年度からの本実施というスケジュールに固執すべきではありません。
 労使交渉と職場討議の時間を十分に保障し、合意のない短時間の見切り発車は厳に慎まれるよう強く求めます。

2.貴職の説明は不十分であり、真に公平な評価が担保されているのか、チーム医療を壊しかねないのではないかという国共病組の懸念は払しょくされていない

(1) 短期的な個人評価や成果を賃金に直接反映させる成果主義賃金や評価給制度をめぐっては、世間でも様々な弊害が指摘されています。別添資料のとおり、職場のチームワークを壊す、労働強化が強いられメンタルヘルスを助長するなどの状況で、導入率も低下しています。特に医療・福祉業では導入は2割程度に低下しているのが実態です。厚生労働省国土交通省の研究会でも、問題が強く指摘されています。
 貴職はこのような世間一般で成果主義・評価給制度に対して出されている見解をどのように踏まえ、検討されたのでしょうか。添付資料に対する見解も含めてお示しください。
(2) 貴職のこれまでの説明では、私たち国共病組が勤務評価制度に抱いている懸念は払しょくされていません。貴職から示された第1次試行アンケートの結果でも、そうした意見がいくつも記載されています。評価をめぐって不満が渦巻き、チーム医療を壊すという問題点について、第1次試行の結果を受けてどのように討議、解決策を定めて第2次試行を準備されたのか、第2次試行でその様な問題が起きない改善策をどう組み込まれたのか、具体的に経過と対策をお示しください。
(3) 私たち国共病組がおこなったアンケート結果(中間報告、別紙)では勤務評価制度に対する否定的意見が多数を占めました。このアンケート結果についてどのように評価されているのか、見解を詳しくお示しください。
(4) 私たち国共病組は、職場でよりよい医療・看護を行おうという集団討議と実践ではなぜ足りないのか、職場がこれだけ忙しいなかで個人目標を設定し面談・評価になぜ時間を割かなければならないのかという疑念を払しょくできません。どうして集団的な目標設定と職場討議ではダメで、個人目標を設定し短期的な評価を賃金に反映する勤務評価制度でなければならないのか、その理由を明確にわかるようにご説明ください。

3.国共病組が求めている資料開示やアンケート実施は、建設的な労使交渉の前提条件

(1) 貴職は7月8日付回答でも、国共病組への資料開示やアンケートの実施を拒まれました。しかし、労使の意見の隔たりは大きいのであって、その隔たりを埋めていくためには、具体的な資料に基づく検証、論議が不可欠です。
 したがって、この間求めている一連の資料について、開示いただくよう再度強く求めます。それは、建設的な労使交渉の前提条件だと考えるものです。
  貴職は開示しているといわれますが、国共病組は不十分だといっているのです。例えば記述式の回答は「主な意見」に集約されていますが、制度の検討には、それを何人が具体的にはどのように書いたのかが重要な検討材料のはずです。また、労使の認識に隔たりがあるなかで、貴職のアンケートには制度の是非や何を変えるべきかの具体的な設問もなかったのであり、だからこそ、国共病組は労使共同でのアンケート実施を求めたのです。
(2) 以上の従来求めていた資料に加えて、検証のために、第1次試行での評価結果をお示しください。評価のばらつきなどを検証する趣旨からの要望ですので、各病院、部門ごとに本人評価と第1次・2次評価の評価点ごとの人数をお示しいただくよう求めます。

4.勤務評価制度は賃金制度であり、評価の賃金への反映方法を提案した段階で、改めて真摯な労使交渉を尽くすことが求められている

(1) 勤務評価制度は賃金への反映方法が開示されてはじめて、その全容が明らかになります。賃金制度は労使対等原則での決定が必要です。その開示以降に、勤務評価の妥当性とは別次元で、賃金制度、賃金への反映方法の妥当性が問われることになります。
(2) 賃金制度として、労使合意のない一方的な変更を行わず、労使交渉を尽くすことをお約束ください。
(3) なお、貴職は7月8日付回答書で「昨年の11月26日の団体交渉の席上で、貴組合に『2次試行に入る前には、試行の検証結果をお示ししたい』とお伝えしたところ」と述べられていますが、これは事実に反していることを指摘しておきます。事実は、昨年11月26日の交渉で貴職は「試行してみて、問題が出てくれば見直すし、問題点はどんどん上げて欲しい。試行4ヶ月の結果は、2次試行前に検証結果や職員のアンケートも開示し、組合とも協議する」(実際の発言は交渉当事者の職員部長)と約束されたのです。
 いずれにしても本件は、賃金制度に関する問題であり、説明や開示ですむ問題ではないこと、労使対等原則に基づく交渉が尽くされる必要があることを再度指摘しておきます。

以上