16時間夜勤は国際的非常識
「16時間夜勤そのものが、世界的水準で見ればまったく奇妙なこと」(労働科学研・佐々木氏)。2交替長時間夜勤は、国際的にはまったく非常識な働き方です。そんなことがなぜ日本で公然と行うことができるのか。それは日本政府が、国際労働機関(ILO。世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連機関)の労働時間に関する条約や勧告をことごとく批准せず、無視し続けているからです(例えば、一日8時間・週48時間制を定める1号条約、週40時間制を定める47号、そして看護師の労働時間や待遇に関する77年の看護条約、夜勤を規制する90年の夜業条約等)。これらを批准すれば、16時間もの長時間夜勤は当然禁止されてできなくなります。国際的な労働基準を無視することによってのみ成り立つ2交替長時間夜勤、日本の医療・看護関係者は、この国際的非常識さをよく認識し、全国的に禁止するよう方向転換するべきです。
ILO看護職員条約・勧告(1977年)
「1日当たりの通常の労働時間は、…8時間を超えるべきではない。」「1日の労働時間(超過勤務を含む。)は、12時間を超えるべきではない。」
ILO夜業条約・勧告(1990年)
「夜業労働者の通常の労働時間は、一般的に、関係のある活動又は企業の部門において昼間に同一の条件で行われる同一の労働に従事する労働者の労働時間よりも平均して少ないものであるべきであり、かつ、いかなる場合にも平均してそれらの労働者の労働時間を超えるべきでない。」
⇒どちらも日本政府は無視!