Q:通知のポイントは何?
A:看護師の勤務環境があまりにも厳しいので、関係機関が協力しあって早急な改善をするように厚生労働省が呼びかけたことです。そして魅力ある職業とするための「職場づくり」「人づくり」「ネットワークづくり」など具体的に取り組むとしています。
通知から
看護師等は夜勤を含む交代制勤務等により、厳しい勤務環境に置かれている者も多く、(中略)健康で安心して働ける環境を整備し、雇用の質を高めていくことが喫緊の課題。
看護業務が就職先として選ばれ、健康で生きがいを持って能力を発揮し続けられる職業となることを勧めるためには、医療行政と労働行政が共通認識を持ち、関係者がそれぞれの立場で勤務環境の改善等に向けて可能なものから取り組む必要がある。
Q:診療報酬が上がらなきゃ無理じゃない?
A:2010年の診療報酬改定の結果なども見ながら、「2012年の診療報酬改定に向けて検討」と「通知」はいっています。経営者の側も今まで以上のアクションが必要です。勤務環境改善のコストを要求するなど、労働組合と共同して運動していくことが必要です。診療報酬・介護報酬を改善させましょう。
Q:「通知」って効果があるの?
A:責任追及の根拠になります。
「通知」には、法律のような強制力はありませんが、この内容が実施されずに問題が生じた時、責任追及の根拠となりえます。具体的な労働時間規制には、労基法の改正が必要です。法改正には、使用者側もまきこんだ大きな運動が必要で、時間も要します。緊急な改善を求めて今回「通知」が出されました。職場で具体的な改善をさせることが重要です。
具体的内容(1)働き続けられる具体的な対応策を求めている
「通知」は、結婚・出産・育児など生活上の理由と、超過勤務が多い・休暇がとれないなど業務過重性の理由で、年に約12万5000人が離職する実態を指摘(離職率11.2%、2010年日本看護協会)。定着促進および離職防止に重点をおいた対策を求めています。
具体的内容(2)労働時間の改善を求めている
Q:どうやって使うの?
A:各県や労働職に対しては、この「通知」を病院や関係団体に周知して改善をさせるよう求めます。そして、職場では改善の具体的実行を求めていきます。交渉で要求実現! 私たち労働組合の出番です!
通知から
労使双方が協力し、労働時間等の設定の改善及びこれを通じた交代制勤務の負担軽減に向けて、それぞれの現場の実態に即した取り組みを主体的に進めることが必要。
[医労連]厚生労働省の「通知」を職場の改善に活かしましょう!(p.4):交渉で改善をとろう
1.勤務間隔は最低12時間確保する(=十分な勤務時間の確保)
(1)「日勤―深夜」があれば、なくす。まずは「半日―深夜」に。
(2)それが無理なら、日勤のあとには絶対に残業をさせない。
2.夜勤の時間はできるだけ短く(=より負担の少ない交代制)
「1日の労働時間は8時間」「超過勤務含めても12時間以内」は大原則!! 休憩も安全を守るための仕事。休憩・仮眠を確実にとれる体制に。
3.残業削減、特に夜勤前後の残業をなくす
(1)勤務前の「患者情報収集」は仕事です。勤務時間に組み込ませましょう。15分を組み込んでいる職場もあります。
(2)深夜勤終了直前の業務を整理し、残業をなくしましょう。深夜勤終了直前のヒヤリ・ハットが高いことがわかっています(2010年病院看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査)。
4.業務整理で全体の負担を軽減する
(1)本当に夜勤でやらないといけない仕事か、業務の見直しを職場でやりましょう。
(2)委員会や研究などの必要性を再度見直しましょう。
…など、看護職全体の負担を軽減させるために知恵を出し合いましょう。